不労所得、節税効果で注目される

賃貸経営のメリット・デメリットとリスク対策

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今回は、「賃貸経営」を始めるにあたって生じるリスクから、メリットやデメリットなどをお伝えしていきます。

世の中には、いろんな投資商品とそれらに基づいた資産運用があります。投資商品や銘柄はどれも一長一短であり、なかなか「これだ!」というものを見つけられずにいるケースが多いようです。

また、将来の年金不安、ウイルスのような流行病、国内外の政治経済動向、災害といったニュースや噂が溢れる中で、「投資をして資産や収入を増やさなければいけない」という気持ちはあるものの、なかなか一歩を踏み出すことができないでいる方々もいらっしゃいます。

その中で「不動産投資」は収益性・安全性の面から見て、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用といわれており、どのように投資をしていくかを決めるまでに、多くの人が一度は検討する投資手法です。 「不動産投資」のなかで、一番多くイメージされるものとして、アパートやマンションなどを、購入または建設して経営を行う「賃貸経営」があげられます。これから「賃貸経営」を始めようと考えているあなたへ、「賃貸経営」で考えられるメリットとデメリットをご説明いたします。

賃貸経営のメリット

長期的な不労所得

アパート、マンションなどの賃貸経営の大きなメリットは、自分自身が働かなくても、毎月「賃料収入」という不労所得を得られることです。

不労所得ですから、あなたが病気や怪我、家族の介護で働けなくなった場合であっても、毎月通帳に家賃が振り込まれます。基本的に土地と物件がある限りは、資産価値がゼロになるという可能性は極めて低く、賃貸オーナーとして健全な経営を継続することができれば、毎月安定した家賃収入を長期的に得ることができるため、公的年金を補完する私的年金として、老後の生活資金を確保することもできます。

節税効果が見込める

現金をそのまま保有するのではなく、その現金で不動産投資を始めた場合、相続税評価額を大きく圧縮でき、相続税を節税できるというメリットがあります。不動産投資が相続税の節税になるのは、評価額の計算方法に理由があります。

現金は、額面金額そのままが相続税計算の基準となる評価額として扱われますが、現金を投資用不動産に変えることで、評価額は3分の1から4分の1にまで圧縮することが可能です。また賃貸住宅の場合、駐車場や遊休地などの「非住宅用地」を更地のまま所有している場合と比較して、固定資産税、都市計画税がそれぞれ1/6、1/3(1戸200m2まで)になるなど、税金が軽減できるというメリットもあります。

生命保険の代わりになる

不動産オーナーのあなたが万一死亡してしまった時でも、経営している物件は消滅するわけではありません。不動産は資産として家族に残ります。ローンを完済していない場合も、アパートやマンションのローン契約時の「団体信用生命保険(団信)」の加入により、ローンは返済者に代わって、保険で支払われるため、家族にローンは残りません。

これは、不動産オーナーが死亡のケースだけでなく生活に大きな支障が出る高度障害状態になったりした際にも、団信が下りるため、残っているローンは全額清算され以降のローンは支払う必要がなくなります。「団体信用生命保険(団信)」の加入により、もし万一の事があったとしても、残された家族はローンの無い土地と建物を残すことができ、毎月の賃料収入を得続けることができます。もし、空室率が高いなどのデメリットが気になる場合は、売却して金銭に変えればよいのです。

このように、賃貸経営を含む不動産投資は、投資物件が遺族にとって経済的な助けになる可能性が高く、いざというときの生命保険代わりとなる場合があります。

インフレなど経済市況に強い

不動産の価格や家賃は、将来物価が上昇し貨幣価値が下がってしまった場合、物価の上昇とも連動するため、資産価値が大幅に下落することは考えにくく、家賃も連動して上昇すると予想されます。「現物資産」として不動産を所有することはインフレ対策にもメリットがあります。

ローンの活用とレバレッジ効果

賃貸経営や不動産投資には大きな資金が必要という懸念点があります。 しかし、物件の購入にローンを利用することができ、毎月決められた額を返済していけばよいため、物件を現金で一括購入するだけの資金を持っていない人でも、不動産投資をはじめることができます。

実際にローンを利用して賃貸経営をされている方は多く、例えば、将来の年金に不安を感じた人や副収入を得たいサラリーマンなどがローンを活用して賃貸経営を行っています。また、ローンを活用して少額の資金から大きな不動産による賃貸経営を行うことができ、いわゆるレバレッジ効果をつかい、家賃収入による運用益以外にも、不動産市況が上昇した際に物件売却を行った場合、大きな売却利益を生み出せる可能性があります。

賃貸経営のデメリット

空室のリスク

いくら利回りが良い物件を購入できたとしても、入居者がいなければ家賃収入は入ってこないので、その利回りにまったく意味はありません。投資のパフォーマンスを最大限に高めるためには、空室期間をいかに短縮できるかがポイントになります。

空室の原因は立地と賃料設定に起因にしているものが多いようです。また、周辺の物件よりも設備などを充実させることにより、空室のリスクを回避することができます。プロである不動産会社によく相談して賃料設定や、投資物件の購入等を進めましょう。 また、空室時も家賃保証等をする「サブリース」サービスを取り扱っている不動産会社もありますので、不動産会社に相談してみましょう。

災害リスク

火災、地震、台風などの自然災害で、建物が倒壊、消失してしまう可能性があります。そのような場合、多額の修繕費用の負担や、賃料収入が得られないなど大幅にキャッシュフローを損失してしまうリスクがあります。このようなリスクを回避するためにも火災保険など、保険には加入しておきましょう。

築年数の経過と建物の老朽化

築年数の経過と共に物件価格は下落していきます。物件価格の下落と同様、築年数が経過し、建物と部屋の老朽化が進めば家賃も下落していきます。老朽化した物件は、入居者の確保が困難になり、家賃を下げざる得ないを状況になります。収支計画を立てる際、管理費や修繕費などの「ランニングコスト」をあらかじめ想定して試算する必要があります。

金利上昇のリスク

「変動金利(または固定期間選択型変動金利)」を利用して賃貸経営を始める場合、金利上昇の際、ローン返済額も上がります。金利変動も考慮し、余裕を持った資産計画を立てることが大切です。今後金利上昇が予想される場合、固定金利期間を長くする、または固定金利での融資を受けるなどのリスク対策をしておくと安心です。

現金化、売却時のリスク

急遽、売却することにし現金化しようとしても、早く売却できるとは限りません。買い手が見つかっても、希望価格で売却できないケースも考えられます。賃貸経営は、賃貸オーナーの立場から自分の資産の運用方法を明確化し、長期的視野で計画を立てていくことが大切です。

最後に

このように不動産投資にはメリットもあればリスクもたくさんあります。

リスクだけをみてしまうと、不動産投資は難しいなと思われたかもしれませんが、起こり得るリスクに対して対策がしやすいのも不動産投資の特徴です。

家賃の滞納リスクや修繕リスク、災害リスクなどは保険や家賃保証やサブリースなどの保証制度を利用することでその多くを軽減することができます。

保険や保証があるのは株式投資や先物取引、FX等にはない不動産投資の特徴ともいえます。

空室リスクや価値の下落リスク、流動性リスクについては必ず向き合わなければならないリスクですが、物件選びや資金計画のポイントをしっかりと準備しておけば、リスクを軽減することは可能です。

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