最近、テレビやインターネットなどで資産運用という言葉をよく耳にされているのではないでしょうか。そもそも資産運用がなんなのか、始めるためには何を意識すれば良いのかといった基礎知識を理解できているのか不安になることがあると思います。
今回の記事では、資産運用の意味や資産運用を始めるにあたって重要なことや代表的な資産運用商品の情報収集方法について説明します。
あなたは、資産運用と聞いて何を思いうかべるでしょうか。なんだか難しそうと考える方もいると思います。ですが、ほとんどの方は既に資産運用を始めています。なぜなら、銀行の預金も立派な資産運用の一つだからです。
1980年代までは、郵便局の定期貯金だけでも金利が複利で7%前後(※1)を推移しており、10年間お金を預けておけば利息だけで元金が倍になり、資産運用として資産を増やすことができていました。
しかし、1990年代のバブル経済の崩壊により、地価・住宅価格の急落で不良債権が拡大、金融機関が相次いで破綻していき、現在では低金利時代といわれる程になってしまいました。
そのことから、現在の銀行預金の金利だけでは不十分と感じている方が多いのではないでしょうか。実際に、「貯蓄から投資へ」という言葉を各メディアから耳にする機会が増えています。
老後の生活や将来の年金などに対する不安を解消するために、自分の将来を自分で考えて守る時代になってきています。今回の記事から、資産運用とは何か、資産運用を始めるためには何を意識するべきかを参考に、あなたの将来へ向けた資産運用を考えてはいかがでしょうか。
※1出典:郵便貯金の金利推移をグラフ化してみる(最新) - ガベージニュース<http://www.garbagenews.net/archives/2392284.html>
資産運用とは自分が所有する資産から預金や投資などを行い、資産を増やすことです。前述した通り預金も資産運用の一つです。
預金はペイオフにより1,000万円までの元本とその利息などを保護している(一部の預金などは除く)ため安全な資産運用ではありますが、預金に対する金利が低いことから増やすことよりも貯めることを目的とした資産運用だと言えます。その他にも、貯めることを目的とした資産運用には普通預金、定期預金、国債などがあります。
しかし、前述した通り昨今は低金利時代と言われています。預金でお金を貯めることはできても増やすことは難しい状況です。大手銀行も破綻(※1)してしまう時代となっています。そのことから、貯めることを目的とした資産運用だけではなく、増やすことを目的とした資産運用を組み合わせて運用している方が非常に多くなってきています。
増やすことを目的とした資産運用の代表的な例は、株式投資やFXなどの投資商品です。預金のように元本の保全はないためリスクはありますが、きちんとした知識を身につけることによって、リスクを抑えることが可能となります。
預金や投資などに資産を分散させて、資産を守りながら増やしていくことが、先々を見据えた安心、安全な資産運用方法ではないでしょうか。
それでは、その資産運用を始めるにあたり重要となるポイントを説明します。
※1出典:ペイオフ、初の発動 振興銀きょう破綻申請 - 日本経済新聞<https://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0900J_Z00C10A9MM8000/>
資産運用において重要なことは、「目標設定」「商品の知識を身につける」「情報収集」です。その他にもリスク分散やライフプランニングなど重要なことはありますが、最低限必要なこととして、上記3つについて説明します。
目標の設定は自身の資産状況や目的で変わりますので、資産をいつまでにどれくらい増やしたいか、という目標を設定すると良いでしょう。目標を設定する事によって、その目標にあった資産運用の方法を選択する事が出来るようになります。
資産運用商品の知識を身につけることで、メリットや適切なリスク回避の方法を知る事ができます。設定した目標を達成できる商品を選ぶために、メリットやデメリット、商品の特性などをきちんと調べておきましょう。
情報収集は、信憑性の高い情報を手に入れることが重要となります。主に収集する情報は世界情勢や日本の情勢など、資産運用に影響を与える情報です。また、より信憑性の高い情報を収集するためには、インターネットなどからの情報と銀行や証券会社から発信される情報を照らし合わせることで、得ることができるでしょう。
情報収集は、資産運用を始める前だけに限らず運用中でも必要となります。収集した情報によって資産運用の判断を行うため、成功するか失敗するかに大きく影響を与えます。
ここまで資産運用において重要なことを説明してきました。ここでは実際の資産運用商品を元にそれぞれのメリット・デメリットと具体的な情報収集の方法を説明します。
株式投資とは、企業が利益を出すためや、お金を集めるために発行している株を売買することで差益を得る投資です。
メリット:
上の表に記載している通り、株の売買による差益以外にも株主優待や配当を受け取れる権利を得られることがありますので、食事や旅行などの贅沢をするために資産運用を始める方は、商品選定時の判断材料となる可能性があります。
デメリット:
注文の最小金額については、上場企業の株の場合、基本的に100株単位(1単元)となります。例えば、1株5,000円の場合ですと、500,000円からの注文となるため、他の資産運用商品と比較した際に、最小金額が高いと感じる可能性があります。
※単元未満数での取引を扱っている証券会社もあります。
情報元:
日経平均、証券会社からの発信情報、各メディアの発信情報、銀行からの発信情報、株式セミナーなど
情報収集方法:
インターネット検索や情報収集専用アプリなどからたくさんの情報を得ることができます。ですがフェイクニュースや信憑性のない情報もありますので、インターネット情報にプラスして証券会社や銀行からの発信情報をあわせて判断することをおすすめします。
日本語では外国為替証拠金取引といい、外貨を交換・売買する事で利益を得る投資です。
メリット:
レバレッジについては、国内の取り扱い会社だと個人用口座で最大で25倍、海外の取り扱い会社であれば3,000倍までレバレッジ可能な会社もあります。
デメリット:
24時間の値動きについて、チャートを常に確認しておく必要はありませんが、睡眠時間中にも動きがあるため人によっては気になってしまうことがあります。
レバレッジについては、大きく利益を得る事もあれば、大きく損失が出てしまう可能性もあります。損切注文(※1)という方法を活用して、リスクを最小限に抑えることをおすすめします。
※1:損切注文 ・・・ 購入した銘柄の金額が自身で指定した金額になった際に、自動的に決済を行うシステム
情報元:
日々の為替、米国経済の情報、各メディアの発信情報、FX取扱い会社からの情報、FXセミナーなど
情報収集方法:
判断に役立つ情報としては、各国が発表している政策金利や経済の中心となっている米国の雇用統計などがあります。雇用統計が高いと好況、低いと不況という判断をされることがありますので、値段が動くポイントとして確認しておくことをおすすめします。
電子通貨を売買することで、差益を得る投資です。2009年に開始され、2011年から活発になっており、さまざまな仮想通貨が作られ続けています。ビットコインという仮想通貨が主流であり、その他の仮想通貨を総称してアルトコインと呼ぶことがあります。
※仮想通貨の種類 ビットコイン、アルトコイン(リップル、イーサリアム、ライトコインなど)
メリット:
国内外に関わらず瞬時に送金や決済をする事ができるので、手続きの時間が大幅に短縮されます。取引金額は、仮想通貨の種類によって異なりますが、1円から購入できるものもあるため、少額から始めることが可能です。
デメリット:
過去に仮想通貨を取り扱っている会社へのハッキングによって、一時的に取引が停止することがありました。口座内のお金についてはハッキングを受けた会社が補填したため、利用者が大きな損失を負うことは免れました。このようなケースに対応できるように、仮想通貨を取り扱っている会社の対応についてよく調べておきましょう。
また、仮想通貨は市場がまだ不安定かつ未成熟であるため、大口投資家の資金力により大きな影響をうける他、値幅制限がないことから価格が大幅に増減し、値動きを読むのが難しいと感じる可能性があります。
情報元:
米国経済の情報、各メディアの発信情報、仮想通貨取扱い会社の発信情報、仮想通貨を大量に保有している世界的著名人のSNSなど
情報収集方法:
前述した通り仮想通貨の歴史まだ浅いため、仮想通貨特有の情報収集は難しいです。他の資産運用商品と同様に、世界情勢の影響でも値動きがあるため世界情勢と値動きの関係性を分析してから始めることをおすすめします。
上記で紹介した商品は一部になり、3商品以外にも数多くの資産運用商品があります。外貨預金や金投資、不動産特定共同事業商品、ソーシャルレンディング、保険、アンティークコインなど、資産運用の種類を挙げていくと膨大な量になります。
資産運用において100%安全な商品は存在しないため、情報収集を徹底しリスクやデメリットへの対策を考え、安全な運用を目指すことが重要となってきます。
資産運用の意味や資産運用を始めるにあたって重要なこと、代表的な商品のメリットとデメリット、情報収集の方法について説明しました。重要なポイントは以下4点となります。
これから資産運用を始める方も、既に資産運用を始めている方も、資産運用における重要なことを理解しリスクを最小限に抑えるように意識しましょう。